鳥のように見てみよう―“俯瞰”で心を軽くする心理学

こころの整え方

何か問題や悩みができると、
私たちはそのことばかりが気になって、
ずっと悩み続けてしまうことがあります。

悩みの渦の中にいるとき

たとえば、
職場の人間関係、親子関係、夫婦や恋人との関係。
あるいは、健康、お金、仕事、恋愛のこと。

悩みや問題はいったん浮かぶと、
私たちの心を支配してしまいます。

幸せそうな誰かと自分を比べてため息をついたり、
「どうして私はこうなんだろう…」とモヤモヤしたり。

そうなると視界がどんどん狭まり、
何をしても上手くいかず、
「やっぱりダメだ…」と深みにはまってしまう。

そんな経験、ありませんか?

鳥になって、自分を眺めてみよう

そんな時こそ、**「鳥の目」**を持ってみましょう。

物事を「俯瞰(ふかん)」して見る、という言葉がありますね。
俯瞰とは、高いところから全体を見渡すこと。
まるで鳥のように、少し上空から自分の状況を眺めてみることです。

目の前のことだけで精いっぱいになっている時は、
視野が極端に狭くなり、
大切なことを見落としてしまいます。

でも、少し高い場所から見下ろすように眺めてみると――
見逃していた“気づき”に出会うことができます。

その気づきは、
今までとは違う見方、
新しい風を運んでくれるかもしれません。

私の小さな気づき

少し自己開示をしましょう(^^)

以前の私は、
「毎日仕事ばかりで、プライベートが充実していない」と
不満を感じていました。

休みが少ないことばかりに目を向けて、
疲れとストレスを感じていたんです。

でも、ある日スケジュール帳を見返してみました。
ただの日付や予定の羅列を、
“俯瞰して”眺めてみたのです。

すると気づきました。

仕事の合間に友人や家族に会っていたこと。
甥っ子と遊んで笑っていたこと。
休日には好きなことをしていたこと。

「忙しいけど、ちゃんと好きな時間もある」

そう思えた瞬間、
ふっと心が軽くなり、
ふふ、と笑みがこぼれました。

それからは、
仕事をいただけること、
支えてくれる仲間の存在、
小さな幸せのひとつひとつに
自然と気づけるようになりました。

鳥のように、もう一度見渡してみる

悩みの渦中では、私たちはつい「一点」しか見られません。
でも、空を舞う鳥のように少し上から見てみると、
ちゃんと“光の当たる場所”があることに気づきます。

あなたの人生にも、
きっと素晴らしい部分がたくさんあります。

それに気づけたとき、
穏やかで静かな安堵が訪れるでしょう。

カウンセリングの中でも、
クライエントさんが気づいていない素敵な資質を、
そっと見つけていく時間があります。

安心できる場所で、
一緒にその「気づき」を見つけていけたら――
私はそう思っています。

今日のまとめ

心が苦しくなったら、
ちょっと空を見上げてみましょう。

深呼吸して、
鳥のように、あなた自身と世界を見渡してみてください。

あなたの中にも、
ちゃんと希望の光が見えるはずです🕊️

🕊️ この記事は、日本心理カウンセラー養成学院(JTC心理学院)の講師によって2016年に執筆された内容を再掲載したものです。
内容は当時の情報をもとにしていますが、今も心に響くテーマとしてお届けします。