自分を認める小さな習慣 ― 3週間続ける自己肯定ワーク

こころの整え方

私たちはつい、自分のあら探しをしてしまいがちです。

「あぁ、またやってしまった」
「私はまだまだだなぁ」
「もっと頑張らなきゃ」

そんなふうに、自分を責める言葉が心の中をめぐること、ありませんか?

もし今、自己否定ぎみだなと感じているなら、
時々この“ワーク”を試してみてください。


🌿 朝のワーク:「自分の良いところを一つ書く」

実はこのワーク、私が昔、教官職についていた頃、
ある教え子に毎朝の課題として出したものが原点です。

当時は心理学をまったく知らず、
ただの“思いつき”で出した課題でしたが、
今振り返ると、それはまさに
自己肯定感を育てる練習だったのです。

その教え子は、生い立ちの影響で強い自己否定感を持ち、
仲間とのコミュニケーションに自信が持てずにいました。

私は彼女にこう伝えました。
「明日から、毎朝一つずつ、自分の良いところを書いて提出するように」

(今思えば完全に命令ですね…笑)

すると彼女は困ったように、
「私にはそんなに良いところがありません…毎朝は厳しいです( ; ; )」
と答えました。

それでも次の日、彼女はノートの切れ端に、
小さなイラストを添えて“自分の良いところ”を書いてきてくれたのです。

画像

不思議なことに、
そのワークを始めてから、彼女の行動が変わりはじめました。

「明日も何か書けるように」と、
日々を少しずつ前向きに過ごすようになり、
体育の授業で活躍した翌朝は、
「スポーツが得意」と書いて提出してくれました。

そうして、いつの間にか仲間とも笑い合うようになり、
少しずつ自信を取り戻していったのです。

そして彼女は、卒業の日までこのワークを続け、
その紙は100枚ほどになりました。

お別れの日の朝、私はその全てを箱に入れて手渡しました。
あの時の彼女の表情を、今でも覚えています。
その箱には、彼女の“成長の証”が詰まっていました。


自分の短所を見つけては責めてしまうあなた――
実は、「良いところを見つける力」も、同じくらい持っています。

なぜなら、それだけ自分をよく見ている証拠だからです(^-^)

もしあなたが今、
「自己肯定感を高めたい」と思っているなら、
この“良いところワーク”を3週間続けてみてください。

3週間続けると、人の意識は習慣化されると言われています。
あなたの心にも、きっと少しずつ温かい変化が生まれるはずです。


🕊️ この記事は、日本心理カウンセラー養成学院(JTC心理学院)の講師によって2016年に執筆された内容を再掲載したものです。
内容は当時の情報をもとにしていますが、今も心に響くテーマとしてお届けします。