宮沢賢治の「雨ニモマケズ」。
誰もが一度は耳にしたことのある詩です。
雨ニモマケズ 風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ 丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク 決シテ怒ラズ イツモシヅカニワラッテヰル…
宮沢賢治は病弱で、この詩は病床で書かれたといわれています。
子どもの頃の私は、これを読んでこう思いました。
「欲を持たず、怒らず、静かに笑っているなんて――まるで仏様のような人だ」と。
そして、「そういう人になることが立派なんだ」と感じていました。
その思いは大人になっても残り、
“欲を持つ自分=いけないこと”という罪悪感をどこかで抱えていた気がします。
1. 友人の「雨ニモマケズ」に心が動いた日
先日、友人がワークで書いた自分版「雨ニモマケズ」を送ってくれました。
一部を紹介しますね。
雨にも負け 風にも負け 雪にも夏の暑さにも負けても大丈夫
そこそこ元気な体を持ち 欲はなく…は理想だけど、お金は欲しい
毎日食べたいものを食べ 学び 忘れ また学び
ハワイに別荘をもち 大切な人の喜びを分かち合い
くにもされず 寂しくはない楽しい人生をわたしは生きたい
この文章を読んで、私は友人のことがとても愛おしくなりました。
エネルギッシュで繊細で、等身大の“生きている人間”の息づかいがそこにありました。
2. 私の「雨ニモマケズ」
私も考えてみました。
宮沢賢治とも、友人とも違う、自分の「雨ニモマケズ」。
雨にも負け 風にも負け
雪にも夏の暑さにも負けたら さすがに落ち込むけど
それでも自分を否定しないでいられる 丈夫な心を持ち…
私は何か失敗すると、自分を全否定してしまう癖があります。
だから、こんな「丈夫な心」が欲しい――
それが、私の本音であり願いです。
3. 自分を否定しない“丈夫な心”を育てる
人それぞれの「雨ニモマケズ」があります。
なりたい自分も、心の願いも、みんな違っていい。
「なるべき自分」ではなく、「なりたい自分」。
それを言葉にしてみることで、自分の中の柔らかな部分に気づけます。
ときどき、こんなふうに自分を解放して、
“率直な自分”を見つめ直してみるのも素敵ですね。
あなたなら、どんな「雨ニモマケズ」を書きますか?🌧️
🕊️ この記事は、日本心理カウンセラー養成学院(JTC心理学院)の講師によって2017年に執筆された内容を再掲載したものです。
内容は当時の情報をもとにしていますが、今も心に響くテーマとしてお届けします。


