無理に前向きにならない3つの方法 ― 心を軽くする“たし算思考”

こころの整え方

プラス思考、マイナス思考という言葉があります。

プラス思考とは、ものごとを肯定的に捉え、前向きに考えること。
マイナス思考とは、ものごとを否定的に捉え、悪い方向へ考えること。

一般には「プラス思考が良い」とされ、
「何ごとも考え方次第。悪い方ではなく、良い方に考えよう」と言われます。

けれどその一方で――
悲しい時や腹が立つ時にも「プラス思考でいなければ」と自分の気持ちにフタをしてしまう。
そんな無理が、かえって心を疲れさせてしまうこともあります。


1. 無理にプラスにならなくてもいい

私はもともとマイナス思考です。
いろんなことを考えすぎて、自分に嫌気がさしたこともあります。

「もっと前向きにならなきゃ」
「良い方向に考えよう」
そう努力してみても、悲しみや不安を感じてしまう。

そんな時、「ありのままの気持ちを大切にしたい」と思うようになりました。
悲しい時は悲しい。腹が立つ時は腹が立つ。
それが自然で、正直な“今の私”なのです。


2. ある出会いが教えてくれた「たし算思考」

先日、研修後の飲み会で、身体のケアをされている方と出会いました。
その方に「学んでみたいけれど、仕事に役立つかわからない」と話したら、
こんな言葉を返してくれました。

「興味があるならやってみたら?
失敗とか無駄なことはないよ。人生はたし算だよ。
今の自分に足りないものを足していくんだよ(^-^)」

その言葉に、雷に打たれたような気がしました。
「人生はたし算」――なんて明るい響きでしょう。


3. たし算思考が教えてくれること

私はずっと、
「プラス思考=正解」「マイナス思考=不正解」
という二択で生きていた気がします。

でも、“たし算思考”なら違います。
ネガティブを否定しないで、そこに必要なものを足していけばいい。

悲しい時は、優しさを。
怒っている時は、安らぎを。
さみしい時は、温もりを。
失敗した時は、「次はこうしてみよう」という工夫を。

そうやって、少しずつ自分を足していけばいい。
すると、心がだんだん軽くなっていきます。


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たし算思考で生きる ― プラスもマイナスも大切に

「たし算思考」こそ、ほんとうのプラス思考なのかもしれません。

無理にポジティブにならなくてもいい。
マイナスを否定せず、そこに何かを足せばいい。

生きていると、いろんな感情がやってきます。
それをすべて肯定しなくても、否定しなくてもいい。
ただ、今の自分に必要なものを足しながら、生きていけばいいのです。

今日もどうか、自分にやさしい“たし算”をしてあげてくださいね🌸


🕊️ この記事は、日本心理カウンセラー養成学院(JTC心理学院)の講師によって2017年に執筆された内容を再掲載したものです。
内容は当時の情報をもとにしていますが、今も心に響くテーマとしてお届けします。