心理学の理論を学ぶと、
自然と、今までの自分をふり返ります。
自分の性格や考え方、交流の仕方、生き方など、さまざまな気づきがあります。
その中で、自分のある側面が心理学的に好ましくないと気づく時、
「私はだめだ」と責めてしまうことがあります。
自己否定の気持ちが湧いてきて、
さらに「自己否定する自分」にがっかりしたり、
無理に直そうとしてしまうこともありますよね。
そうなると、心ががんじがらめになってしまいます。
せっかく「より良くなりたい」と学んでいるのに、
気づけば気づくほど自己を否定してしまう――それは本末転倒です。
そんな時に試してほしいのは、
「何もしようとしないこと」。
嫌なところも、良いところも、今ここに生きているあなたの一部です。
まずは、「いろんな自分がいる」ということを認めましょう。

「私には、こんなところがあるんだなぁ」
「ほー、そんなところがあるんだなぁ」
否定したり、無理に直そうとしないで、
ただ“認める”だけでいいのです。
暗闇の中で懐中電灯を照らすように、
自分の中の一部分に光を当て、
「そこにいたんだね」と認めてあげる。
それだけで、その部分は少し落ち着き、
「持ち主であるあなたに認めてもらえた」と感じるのです。
そのあとで、あなたの望む方向に少しずつ変えていくこともできます。
あるいは、ただ「そこにある」と気づくだけで、
不思議と気にならなくなることもあります。
🕊️ この記事は、日本心理カウンセラー養成学院(JTC心理学院)の講師によって2015年に執筆された内容を再掲載したものです。
内容は当時の情報をもとにしていますが、今も心に響くテーマとしてお届けします。


