私が心理学を学び深め、
そして人生に取り入れ始めてから、折にふれて大切だと感じるのは、バランスです。
何事も、バランスが大切。
心理学の世界でも、それは変わりません。
健常とは、現実と欲求のバランス
当学院の本講座を受講された方にはおなじみのテーマですね(^-^)
カウンセリング心理学では、
私たち人間が**「健常な状態」で暮らすこと**を目標としています。
健常とは、現実社会を生きる上で守るべき規則やルールを守りつつ、
自然と湧き起こる欲求をバランスよく満たしていく、
そんな安定した心の状態のことです。
“~すべき”と“~したい”の間で
「やりたいけれど、やってはいけない」
「休みたいけれど、やらなきゃ」
現実と欲求のはざまで、私たちはいつも揺れ動きます。
“~すべき”に偏りすぎると、心は苦しくなり、
“~したい”に偏りすぎると、社会との関係が崩れます。
だからこそ、どちらも大切に。
「今日は最低限のことをして休もう」
「私にしかできないことだけやって、他は頼んでみよう」
自分だけで抱え込まず、頼れるところは頼みましょう。
それが、あなた自身を守り、結果的に周囲の健常にもつながります。
そして、あなたに余裕があるときは、
周りの人たちが健常に過ごせるよう、支え合いましょう。
その循環こそが、職場や家族の“心の健常”を育てます。
自己理解と他者理解のバランス
カウンセリングを学ぶと、最初に教わるのが自己理解。
「他者援助のために、まずは自分を理解すること」から始まります。
自分の心の動きや、考え方のクセを理解できる人は、
他者の心のプロセスも丁寧に読み取ることができるからです。
けれど、自己理解に偏りすぎると、
独りよがりになってしまうことがあります。
「私がこうだから、きっとあの人もそう」
「自分だったらこうするのに、なんであの人は…」
そんな“自分の物差し”で他者を測ってしまうと、
理解がズレてしまうことがあります。

自分と相手、どちらも尊重する
あなたにはあなたの人生があり、
相手には相手の人生があります。
自分の考え方や感じ方を理解しながら、
同時に、他者の感じ方を尊重する。
「私はこう感じている」
「あなたはそう感じているのですね」
この両方を大切にできるとき、
自己理解と他者理解のバランスが整っていきます。
人には、いくつもの側面がある
人間は、ひとつの性質だけでできているわけではありません。
優しい人、厳しい人。
冷静な人、情熱的な人。
明るい人、物静かな人。
そしてその中には、こんな“二面性”もあります。
普段は厳しい上司が、いざという時とても温かい。
いつも穏やかな人が、ここぞという場面で力強く意見する。
人には、光と影、表と裏、静と動――
さまざまな側面があります。
見えている一面だけがその人のすべてではありません。
「今は見えていない部分もあるかもしれない」と気づくだけで、
人間関係はぐっと穏やかになります。
心も身体も、バランスよく
自己理解と他者理解、厳しさと優しさ、
現実と欲求――どちらも欠かせない、大切なバランスです。
そして、心と身体のバランスも忘れずに。
私自身、つい頭ばかり使ってしまうので、
「そろそろ体も動かそうかな」と思っています(^^)
あなたも、心と体の両方を大切に。
どちらも健やかでいられるよう、
バランスをとりながら過ごしていきましょう🌿
🕊️ この記事は、日本心理カウンセラー養成学院(JTC心理学院)の講師によって2016年に執筆された内容を再掲載したものです。
内容は当時の情報をもとにしていますが、今も心に響くテーマとしてお届けします。


