ネガティブな気持ちと向き合う ― 草間彌生さんに学ぶ3つの心のレッスン

こころの整え方

先日、アーティストの草間彌生さんの個展を新国立美術館で観てきました。
黄色に黒のドットのカボチャの絵で有名な草間さん。
会場には、圧倒的なエネルギーと生命力があふれていました。

けれど、その背景には、統合失調症などの苦しみを抱えながら生きてこられた彼女の人生があります。
初期の作品には、抜け出せない不安や叫びのようなものがありました。
それを乗り越えた今の作品は、まるで**「生きる力」そのもの**。

私はその変化に心を打たれました。
「苦しみを通り抜けた人の放つ光」は、こんなにも強く美しいのだと。


1. ネガティブな気持ちと向き合うには、勇気がいる

ネガティブな気持ちと向き合うのは、誰にとっても怖いことです。
怒りや悲しみ、恐れに触れると、今の自分が崩れてしまいそうな気がします。

私もかつて、**長年抱えていた“怒り”**に向き合うことになりました。
それは真っ黒で、ドロドロとしたものでした。

「この気持ちに気づいたら、今の生活が壊れてしまうかもしれない」

そう感じて、ずっと避けてきました。

でも、もう逃げられなくなったとき、カウンセラーさんがこう言いました。

「辛いかもしれませんが、今は何かで気を紛らわせずに、
ただその気持ちと一緒にいてください。」


2. 感じきると、気持ちは自然に小さくなる

言葉通りにしてみました。
一週間ほど、怒りのドロドロを感じながら生活しました。
心の中に黒い渦が渦巻くような感覚。

けれど――
しばらくすると、その渦が少しずつ小さくなっていきました。

いつの間にか、
あの生々しかった怒りは、“過去のもの”になっていたのです。

あの瞬間、私は学びました。
ネガティブな気持ちと向き合うことは、
“自分の中の本当の自分”とつながることなのだと。


3. 感情と寄り添うことが、成長の入り口

私たちはつい、苦しい気持ちを「感じないように」頑張ってしまいます。
けれど、それは一時的な安心でしかありません。

本当に癒しが起こるのは、その感情と寄り添えたとき。
自分の苦しみを、いちばんわかってあげられるのは、自分自身なのです。

私は今、何か課題が見つかると
「向き合うのは少し怖いけど、どんな自分に出会えるかな?」
と、少し楽しみでもあります。

そして、いつか草間さんのように――
苦しみを通り抜けた先で、力強く、やさしい生命力を放てたら素敵だなと思います。


あなたが何かの気持ちと向き合うとき、
少しでも安心して歩けるお手伝いができたら、私はとても幸せです🌻


🕊️ この記事は、日本心理カウンセラー養成学院(JTC心理学院)の講師によって過去に執筆された内容を再掲載したものです。
内容は当時の情報をもとにしていますが、今も心に響くテーマとしてお届けします。