私が初めて心理カウンセリングを受けたのは、今から5〜6年前のことです。
娘の問題症状に途方に暮れていた時、心理カウンセラーを紹介していただきました。
そして、なぜか娘ではなく、私がカウンセリングを受けることになりました。
「母とは真逆の子育てをしてきたのに…」
ある日、私はずっと心にあった疑問をカウンセラーさんに尋ねました。
「私は母との関係で子どもの頃から苦しんできました。
だからこそ、母を反面教師にして、真逆の子育てをしてきたつもりなのに、
なぜ、娘は私と同じように苦しいのでしょうか?」
すると、カウンセラーさんはこう答えました。
「あなたがその苦しみを抱えたままだと、
たとえ真逆の子育てをしているつもりでも、子どもに伝わるものは同じなのですよ。」
反面教師の落とし穴
当時の私は「?」という感覚でした。
母は私がどんなに頑張っても褒めてくれず、認めてもらえなかった。
だから私は「娘には絶対にそんな思いをさせない」と決めていました。
私は娘をたくさん褒めました。
私が欲しかった言葉を、たくさんかけました。
でも結果は――
娘は「お母さんを喜ばせるためにもっと頑張らなきゃ」と苦しんでいたのです。
今になって思えば、私は自分の満たされなかった心を、娘で満たそうとしていたのでした。
娘はそれを敏感に感じ取り、応えようとしていたのです。
これがまさに「反面教師のカラクリ」だったのだと、今は理解しています。

成長する親の姿が、最高のモデリング
学院で講師をしていると、たくさんの“お母さん”たちに出会います。
みなさん本当に熱心に学び、そして学んだことをまず子どもとの関係に活かそうとします。
でも、どうか焦らないでください。
親が自ら学び、成長していく姿そのものが、子どもにとって最高の教師(モデリング)です。
「反面教師」ではなく、真正面からのモデルとして、
自分と向き合い、人生に責任を持つその姿が、
子どもの心に深く残っていきます。
親が癒えると、子どもも癒えていく
私の娘も、私の心が癒されていくにつれて、少しずつ症状が良くなっていきました。
そして今では、自分らしく将来の夢に向かって生き生きと頑張っています。
親の成長は、子どもに伝わります。
焦らず、一歩ずつ。
まずは「学び、成長することを選んだ自分」を、どうか認めてあげてくださいね🍃
🕊️ この記事は、日本心理カウンセラー養成学院(JTC心理学院)の講師によって過去に執筆された内容を再掲載したものです。
内容は当時の情報をもとにしていますが、今も心に響くテーマとしてお届けします。


