「なんで?」が軽くなる魔法の言葉 ― 心の境界線を保つ心理学

こころの整え方

家族やパートナー、職場の人とのやり取りの中で、
なんだかもやもやするときってありませんか?

たとえば、家族に――

「なんで私の気持ち、わかってくれないの?」

恋人に――

「なんで〇〇してくれないの?」

同僚に――

「なんでそんな言い方するの?」

「なんで?」「どうして?」
そう感じて、心がざわざわするとき。

それはもしかしたら、
あなたと相手の心の境界線が、少し曖昧になっているのかもしれません。


あなたの世界観と、相手の世界観

「私はこう考えるのに、なぜあなたは違うの?」
「私はこうしたいのに、どうしてあなたは違うの?」
「私はこんな風に思っているのに、なんで責めるの?」

あなたには、あなたの大切な世界観があります。
それは、これまでの人生の中で築き上げた信念や価値観であり、
とても尊いものです。

でも、それと同じように――
相手にも、相手の世界観があります。

親には親の。
子には子の。
パートナーにはパートナーの。
同僚には同僚の。

意見が違うのは、とても自然なことなのです。

私たちは、それぞれの境界線の“ふち”に立ち、
互いに触れ合いながら生きています。

そしてその違いに出会うからこそ、
人は日々、喜び、怒り、悲しみ、愛し合うことができる。
私はそう思っています。


「わかってるけど、できない…」ときの魔法の言葉

「そんなこと、頭ではわかってるけど、なかなかできないんだよ(>_<)」
そんなあなたへ。

今日は、魔法の言葉をひとつご紹介します。

それは――

「興味深いなぁ」


もやもやを“面白がる”という選択

誰かに対して「なんで〇〇してくれないの?」と思ったら、
その人を少しだけ“観察者”の目で見てみましょう。

たとえば家族に:

「あの人には分からないのか。興味深いなぁ。」

恋人に:

「ここで〇〇しないのね。興味深いなぁ。」

職場の同僚に:

「ほう、そんな言い方するのね。興味深いなぁ。」

たったこれだけ。

相手の行動に“興味”というフィルターをかけるだけで、
心の温度がすっと下がっていくのを感じるはずです。


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「興味深い」は、軽やかに生きる知恵

もちろん、「興味深い」で片付けられないような出来事もあります。
深刻な場面では、この言葉は使えません。

けれど、ちょっとしたもやもやのときに使うと、
思った以上に心が楽になります。

私自身、LINEの返事が来なくても、
前ほど「なんで?」と思わなくなりました。

「ここで返さないのね。興味深いなぁ。」

そう思うだけで、
相手の世界を尊重しながら、自分の心を守ることができるのです(^^)


今日のまとめ人と人のあいだに、完全な理解はありません。
でも、理解できないことを「興味深い」と受け止めるだけで、
あなたの世界が少し広がります。

もやもやしたときこそ、
この小さな魔法の言葉を試してみてください。

新しいあなたのステージが、きっと始まります🌿

🕊️ この記事は、日本心理カウンセラー養成学院(JTC心理学院)の講師によって2016年に執筆された内容を再掲載したものです。
内容は当時の情報をもとにしていますが、今も心に響くテーマとしてお届けします。